転生父さん ~ その4

2006年8月25日妄想白書♪神楽堂

ある日、車に跳ねられ死んでしまった俺。

そのまま天に召されるハズだったのだが、息子の成長を見届けたいという強い願いが通じたのか、転生して息子を見守ることになったのだが…

セミの成虫になってからの運命は儚く短かった…。

俺は再び息子の成長を見届けるために生まれ変わっていた……カブトムシとして。

息子は、15歳に成長していた。

人里離れた山中にカブトムシとして生まれ変わった俺。
前回は、引っ越した息子を探すことも出来ずじまいだったが、今回は違う。

土の中にいるときから、息子のいる方向を感じていた。

こっちだ!!
勘を信じろ!

いや…、あっちかな…。

あー、えーと、やっぱりこっちだ。
たぶん、こっちに違いない!!

俺は息子を目指して飛び続けた。
幾日も、幾晩も……。

そしてやっと息子の元に…。
む、す、こ~~!!

バサー………。

ん?なに?このネット?
網?

網ー!!

「あー、カブトムシだよ!」
「良かったな。坊主」
「うん!」
「これで友達に自慢できるな」
「うん!
 死ぬまで友達のカブトムシやクワガタと戦わせるんだ!」
「そうか、よかったな」

よくねぇ~……。

86戦85勝1敗。
数々の名勝負を繰り広げ、伝説を築き上げた。
唯一の1敗は、近所の野良猫と死闘を演じ、敗れたものだという。

それが俺の五度目の最後だった…

【後書きみたいなの】
転生父さん、4話目です。

今回は、ムシ○ングで人気が爆発中みたいなカブトムシです。

カブトムシは、子供の頃、一度、知り合いのおじさんにもらったことがありましたが、次の日には、いなくなっていました。

Posted by ともやす