転生父さん ~ その5
ある日、車に跳ねられ死んでしまった俺。
そのまま天に召されるハズだったのだが、息子の成長を見届けたいという強い願いが通じたのか、転生して息子を見守ることになったのだが…
カブトムシの運命は意外と波乱万丈だったが、やはり短かった…。
俺は再び息子の成長を見届けるために生まれ変わっていた……カラーひよことして。
息子は、18歳に成長していた。
年に一度の近所の祭りの日…
ピヨ、ピヨ…、ピヨ、ピヨ、ピヨ…
大勢のカラーひよこ達と一緒に息子を待っていた。
息子発見!!
あー、もうこんなに成長して。
息子~!!
心の声に気づいたのか、息子はまっすぐこちらへ向かってきた。
よく見ると横には、彼女らしき女の子の姿もある。
やるなぁーあいつー。
息子達は、カラーひよこの出店の前で足を止める。
「どうだい、可愛いひよこだよ!」
出店のおやじが、ダミ声で言う。
ピヨ、ピヨ…、ピヨ、ピヨ、ピヨ…
俺も必死になって息子に可愛さをアピールする。
息子~、俺を買うんだ。
買ってくれー!!
息子の横の彼女の手が伸びてきて、隣のヒヨコを掴もうとする。
俺はすかさず、隣のヒヨコに飛び蹴りを食らわし、変わりに彼女の手に必死でしがみつく。
彼女の手は、そのまま俺を掴み、息子の前まで持っていく。
息子~!!
俺は、ピヨ、ピヨと必死に息子に呼びかけた。
「カラーひよこってすぐ死んじゃうらしいからさ、買うの止めよ」
ガーン!!
息子の声が無情に響き、俺は、下におろされる。
む、す、こ~ピヨヨ!!
カラーヒヨコの寿命は、短かった…。
それが俺の六度目の最後だった…
【後書きみたいなの】
転生父さん、5話目です。
転生父さん、5話目です。
今回は、カラーひよこ。
そういえば、昔は、普通に祭りの出店でカラーひよこが売られていましたが、最近は、見なくなりましたね。
その当時、カラーひよこは、すぐ死ぬってのが、噂でありました。
でも、ニワトリまで成長したって話もたまに聞きましたが。
その当時、カラーひよこは、すぐ死ぬってのが、噂でありました。
でも、ニワトリまで成長したって話もたまに聞きましたが。
あのカラーひよこ達は、どこいってしまったんでしょうね。
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