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転生父さん ~ その5

2006年8月26日妄想白書♪神楽堂

ある日、車に跳ねられ死んでしまった俺。

そのまま天に召されるハズだったのだが、息子の成長を見届けたいという強い願いが通じたのか、転生して息子を見守ることになったのだが…

カブトムシの運命は意外と波乱万丈だったが、やはり短かった…。

俺は再び息子の成長を見届けるために生まれ変わっていた……カラーひよことして。

息子は、18歳に成長していた。

年に一度の近所の祭りの日…

ピヨ、ピヨ…、ピヨ、ピヨ、ピヨ…

大勢のカラーひよこ達と一緒に息子を待っていた。

息子発見!!

あー、もうこんなに成長して。

息子~!!

心の声に気づいたのか、息子はまっすぐこちらへ向かってきた。
よく見ると横には、彼女らしき女の子の姿もある。

やるなぁーあいつー。

息子達は、カラーひよこの出店の前で足を止める。

「どうだい、可愛いひよこだよ!」
出店のおやじが、ダミ声で言う。

ピヨ、ピヨ…、ピヨ、ピヨ、ピヨ…

俺も必死になって息子に可愛さをアピールする。
息子~、俺を買うんだ。
買ってくれー!!

息子の横の彼女の手が伸びてきて、隣のヒヨコを掴もうとする。
俺はすかさず、隣のヒヨコに飛び蹴りを食らわし、変わりに彼女の手に必死でしがみつく。

彼女の手は、そのまま俺を掴み、息子の前まで持っていく。

息子~!!
俺は、ピヨ、ピヨと必死に息子に呼びかけた。

「カラーひよこってすぐ死んじゃうらしいからさ、買うの止めよ」
ガーン!!
息子の声が無情に響き、俺は、下におろされる。

む、す、こ~ピヨヨ!!

カラーヒヨコの寿命は、短かった…。

それが俺の六度目の最後だった…

【後書きみたいなの】
転生父さん、5話目です。
今回は、カラーひよこ。

そういえば、昔は、普通に祭りの出店でカラーひよこが売られていましたが、最近は、見なくなりましたね。
その当時、カラーひよこは、すぐ死ぬってのが、噂でありました。
でも、ニワトリまで成長したって話もたまに聞きましたが。

あのカラーひよこ達は、どこいってしまったんでしょうね。

Posted by ともやす