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井の中の

2006年10月6日妄想白書♪神楽堂

その世界は巨大な壁に覆われていました。
壁は、天まで高く、空は、壁に阻まれ真上に少し見えるだけでした。
陽の光が地上まで届くのは一日の内のわずかな時間で、それ以外は、壁に阻まれ薄暗くじめじめした世界でした。

ある時、空から一冊の日記が降ってきました。
その日記は、この壁を登った若者の日記でした。
何年も昔にいなくなった若者の日記でした。

その日記には、壁をどんどん登った日々が綴られていました。
毎日毎日、壁を延々と登った日々が綴られています。
壁を登りきる前日の日記にはこうありました。
「もう壁の頂上が見えてきている。
 明日にはこの壁を登りきることができるはずだ。」
そして最後の日付に書かれていたのは、こうでした。
「こんなはずでは…」

人々はこの日記を読み口々に言いました。
「壁の向こうに行っちゃったのかね?」
「ならどうして、日記が振ってきたんだ?」
「きっと登った罰が当たったんだ」
「これは世界の端っこの壁だから、きっと世界から落っこちてしまったんだ」

そして最後に若者が言いました。
「この壁の向こうにある世界を見に行く」

それを聞いた他の者は若者に言いました。
「馬鹿なこといわずに立派な働け」
「この壁の向こうに世界なんかある訳ない。この壁は世界の端っこなんだ」
「壁を上れるのは神様だけだ」
「上ったら罰があたる」
「世界から落っこちてしまうぞ」
しかし若者は考えを変えません。

次の日、若者は壁を登り始めました。
何日も何日も登り続けました。
千の昼と夜が過ぎ去りました。
若者は壁を登り続ける日々を日記に書き続けました。

そしてとうとう壁の頂上が見えてきました。
若者は決めていました。
壁を登りきったら、まず日記に見たものを書こうと。

そして次の日、空から一冊の日記が降ってきました。
その日記は、この壁を登った若者の日記でした。
何年も昔にいなくなった若者の日記でした。

その日記には、壁をどんどん登った日々が綴られていました。
毎日毎日、壁を延々と登った日々が綴られています。
そして最後の日付に書かれていたのは、こうでした。
「こんなはずでは…」

そして次の日、若者が新たに壁を登り始めました。

【後書きみたいの】
いつもは、勢いで、あまり時間を空けずに書き切ってしまうことが多いのですが、時間がなく、途中、何回か、何日も空けつつ、読みかいしては続きを書きました。
そのせいか、最初思っていたのとは、なんか違う、変な感じに仕上がりました。

ほとんど、お昼休みに書いて、更新しているので、忙しかったりすると、書けないし、日にちが空くと書き終わらないまま放置されてしまいます。
ほとんど、勢いで書いているんです。
が、最近、微妙に忙しく時間内に書ききれないんですよねぇ。

最低、週1は更新したいなーとお星様に願いつつ…。

Posted by ともやす